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角川ルビー小説大賞|KADOKAWA RUBY NOVEL AWARD角川ルビー小説大賞|KADOKAWA RUBY NOVEL AWARD

毎年輝く才能を発掘しているルビー小説大賞も今年で17回目。今年も魅力溢れる多数の作品をご応募いただきました。厳正なる審査の結果、見事2名の受賞者が決定しましたので、ご報告致します。

結果発表


  • 該当者なし

  • 該当者なし

  • 『恋は、宵闇に射す光のように』 『恋は、宵闇に射す光のように』

    『恋は、宵闇に射す光のように』

    市川紗弓

  • 『ここは人外境界中央区ハローワーク』 『ここは人外境界中央区ハローワーク』

    『ここは人外境界中央区ハローワーク』

    塩山オーロラ

受賞作品


  • 『恋は、宵闇に射す光のように』

    『恋は、宵闇に射す光のように』

    市川紗弓

    ストーリー

    美男の給仕が売りの男性向けカフェー『レオパード』で一番人気のユキ。ある日、馴染み客の紹介で帝大生の設楽春清と出会い、その誠実で純情な人柄に惹かれ、二人は急速に距離を縮めていく。しかしある日、週刊誌にユキの生い立ちの醜聞が掲載される。伯爵家の庶子であり、家の困窮を救うため資産家に愛人として差し出された過去を持つユキは、その呪縛から逃れたいと望むが...。

    受賞者コメント

    このたびは奨励賞に選んでいただきまして、誠にありがとうございます。選考に携わってくださった皆さま、書き続けることを支えてくださった皆さまへ、心より感謝申し上げます。今はまだ夢が現実になった嬉しさで胸がいっぱいですが、日頃の疲れを忘れて思いきり楽しんでいただけるような作品を目指し、精進してまいります。

    編集部講評

    本作は、昭和初期というやや古めかしい時代設定を取り入れつつも、活き活きと時代を描写する表現力や、丁寧な恋愛描写が評価され「奨励賞」の受賞となりました。安定感のある作風は、幅広い読者から指示される可能性を持ってはいますが、一方で、先の展開が読める物足りなさも感じさせてしまいます。今後はよりエンタテインメント性を意識するよう心がけてみて下さい。これからの活躍に期待しています。

  • 『ここは人外境界中央区ハローワーク』

    『ここは人外境界中央区ハローワーク』

    塩山オーロラ

    ストーリー

    ハルアキは、この世とあの世の境界にあるハローワークで、人外たちに求人・転職情報を提供する「人外求人取扱責任者」として働いている。ある日、事務所に土地神として働いていた金という大神が、式神になりたいと訪ねてきた。とても強大な力を持つ金は、様々な契約主に紹介しても納得せず、条件が合う者が現れるまで、ハルアキと同居することになるが...。

    受賞者コメント

    このたびは読者賞を頂き、驚きと喜びで未だに現実感がありません。
    拙くも、楽しく書いた作品で評価を頂けるという幸せは、私の人生でこれ以上ないことではないかと思っています。
    右も左も分からない身ではありますが、今後は今回の受賞を励みとし、精進していきたいと思います。
    携わってくださった皆様に心から感謝します。

    編集部講評

    本作は、人外相手のハローワークという独特な設定とドラマチックな展開が読者審査員から高く評価され、「読者賞」の受賞となりました。多彩なキャラクターやテンポのよい会話はリズムが良く、話に引き込む魅力があります。ただ一方で、キャラクターの整合性や、恋愛以外の部分の比重が多くなるなど、設定に頼りすぎて荒削りな部分も見受けられました。きちんと構成を考え、全体のバランスを見直す余裕を持つことが、今後の課題となります。これからの活躍に期待しています。

編集部総評

第17回角川ルビー小説大賞にご応募くださった投稿者の皆様、ありがとうございました。今回集まった作品は、ファンタジー設定や時代設定など、現代設定以外の設定のお話が例年より多く見受けられ、最近のジャンルの傾向をよく研究されている印象を受けました。
一方で設定に捕らわれすぎて、無駄なキャラクターを多数登場させたり、話の本筋が恋愛から外れたりなど、お話の主題が恋愛小説から逸脱してしまう作品も多く見受けられました。

ルビー文庫はエンタテインメント性が高く、且つ、きちんと恋愛が描かれた物語を求めています。凝った設定やドラマチックな展開は読者の期待値を上げますが、その分、世界観やキャラクターの整合性、物語の根幹にある恋愛部分がきちんと描かれているかを、読者はシビアに判断します。
そういった意味で、最終選考に残った4作品は、設定はそれぞれ別のベクトルを向きつつも、エンタテインメント性が高く、且つ、好感度のある恋愛が描かれている作品ばかりでした。
恋愛をドラマティックにするための設定には力を入れつつ、その根幹である恋愛描写がきちんと描かれているか、今一度考えてみてください。

次回のご応募を編集部一同、心よりお待ちしております。



過去の小説大賞情報